監督

「Pray for Japan〜心を一つに〜」はプロデューサー兼監督のスチュウ・リービーが送る非営利目的の映画作品です。

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監督からのメッセージ
「2011年3月9日に成田に降り立ち、東京の自宅に戻りました。その2日後、マグニチュード9.0の地震が東日本を襲い、私の家はまるで嵐の中の小型ボートのように大きく揺れました。でもそれはほんの小さなことに過ぎなかったのです。その直後から、テレビで映し出された映像に驚愕しました。東北の美しい海岸線を冷たく、黒い水が大きな波となり、破壊していったのです。

私はかつて気仙沼湾に浮かぶ小さな島、大島で地元の漁師が経営する民宿に泊まったことがあります。また松島へ行き、海水の味のする新鮮なホヤを食べ、石巻では風情のある古い街並みを散歩しました。日本でもっとも美しいところだと、日本人の友人にまで奨めていたほどです。

それがすべて流されてしまったのです。私はテレビの映像に釘づけになりました。あの民宿はどうなったのでしょう。建ち並んでいた小さなお店は?親切な地元の人たちは?

ほとんどパニック状態で、友人たちの伝手をたどり、なんとかボランティアをしに東北へ行く方法を模索しました。そんな中で奇跡的に非営利団体JENが、被災地に支援物資を運搬するボランティアを探していることを聞きつけました。私はすぐそれに飛びつき、3月15日にボランティアのシダさんと一緒にガソリン、水、灯油、米を積んだトラックに乗り込みました。私たちがシェルターに着いた時、周りは雪でした。届いた物資を運ぶため、男性が列を作って待っていました。私が大きな米の袋を下ろしていると、よわよわしいお年寄りが受け取ろうとしました。私が、とても重いですよ、と言うと彼は大丈夫だ、と。彼は重い米の袋を肩に乗せ、堂々と運んでいきました。

日本人にはそんな頑固さ、粘り強さ、協力し合う精神、そして自己犠牲の精神が備わっています。それを目の当たりにし、私はこの映画を作ることを決意したのです。炊き出しの手伝いや届けられる物資を運ぶボランティアをしながら、6週間で40時間もの映像を撮ることができました。その数か月後、各方面のプロの方々のご協力のもとに、この映画が完成しました。

この作品はニュース映像ではありません。反核を訴えるものでもありません。普通の人々が自分の家や命を救うため、たくさんのものを失いながらも前向きに生きる物語です。誰にも知られていない、ヒーローたちの物語です。」

監督のプロフィール

スチュウ・リービー
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(株)TOKYOPOP創立者。日本の漫画を世界に紹介したパイオニアであり、20年以上に渡る日本との交流を持つ。映像作品のプロデュース・監督も精力的に手がけており、ドキュメンタリー作品「America’s Greatest Otaku」映画『Van Von Hunter』監督、ハリウッド映画『Priest』(「プリースト」ソニーピチャーズ配給)のプロデュースを行う。マンガ原作著者でもあって、ハリウッドのプロデューサー組合(Producer’s Guild of America)の国際委員会長も務めている。スチュウのウェブサイトはこちらです